次女の妊娠は予想外だった。長女が幼稚園年少の頃に、弟か妹を作ってあげたいなと思っていたが授からず、その後は完全に諦めていた。それが、ベビー用品や使えそうなおもちゃを処分した後になって妊娠した。妊娠初期から中期は戸惑いながらも嬉しかった。長女にとっても妊娠して良かったと思った。なぜだか妊娠後期から不安や焦りが出てきて、お腹の中の子を全く愛せなくなった。長女を出産して産み育ててきたのに、これからまた一から育児をしていく不安から、産みたくないとか怖い怖いばかり言っていた。
この頃FXの教材をいくつか買って勉強し、過去チャートを遡ったりデモトレードまではしていたがトータルプラスにならず、手法もどれを使ったらいいのかさっぱり分からなくなっていた。加えて長女が学校で同級生から嫌がらせにあい、その同級生の親は近所のママ友だったこともあり、私自身が対応で疲弊していた。そんなストレスも重なって、私の心の状態はどんどん悪くなった。お腹の子に何も罪はないのに酷い言葉を投げかけたり、自殺願望も出てきた。長女のお世話もできなくなり、実家の母に自宅に来てもらったり私達が実家に泊まらせてもらう事が増えていった。
不安定な時に一番側にいて欲しかったのは母だった。私の事を懸命に支えてくれていたが一向に良くならず、夜中に私がとても苦しがって意味不明な言動を毎夜繰り返していたので、母も夫も疲れ果ててしまい産婦人科と精神科のある総合病院へ転院となった。私はギリギリまで自宅で療養して出産に臨みたかったが、お腹の子に何かあってはいけないと判断され強制入院となった。納得いかなかったのが、産婦人科ではなく精神科病棟に入院になった事。病室の鍵は開いていたが病棟から出るのに自由が効かず、届け出を出さないと売店にも行けなかった。狭い病棟の中で持ち込める物も厳しくチェックされ、暇で暇で仕方がない時間を潰すのがとても辛かった。出産して退院するまでの2週間はそれまでに経験したことのない苦痛な日々だった。もう2度とあの病棟には戻りたくない。何があっても心を強くして前を向いて生きていきたい。そう思えるくらい強烈な経験をした。
その後の人生でこの時のお腹の子が、発達障害と診断された。もしかしたら、私が妊娠中うつ病だったから、お腹にいる時に愛せなくてまるでお腹にいないかのように扱っていたから、次女が障害児になったのかもしれない。本当の原因は分からない。分かっているのは私に責任があるという事。親としての責任もある。この先色々な難問が降りかかってくると思うが、自立できるまでは次女を手放さず愛情深く育てていきたい。2度のうつ病を経験して乗り越えてきたから、きっと大丈夫。何とかなると言い聞かせて毎日を過ごしている。実際に大変なこともあるが深刻に考えずに子育てできている。うつ病を経験したおかげかもしれない。
終わり(ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。)